毛髪繊維の構造のもとになるのはαーへリックスというラセン状の形をした分子量が約5万の分子です。この分子2本が互いに巻きついてロープ状の構造を持つ2量体を形成し、1対のロープが集合して4分子の集合体(4量体)となり、さらに円筒状に8単位が集合してミクロフィブリルを構成しています。
IFAP(Intermediate filament associated protein、中間径フィラメント結合タンパク)が構成成分のマトリックスにミクロフィブリルは埋め込まれて、規則的に集合してマクロフィブリルを形成します。
ケラチンのコルテックス細胞はマクロフィブリルの集合体で、隣接細胞との境界には3層構造からなる細胞膜複合体(CMC:Cell Membrane Complex)が存在して毛髪の根元から毛先まで連続して細胞間を走行していて物質輸送のルートになっているということです。コルテックスは板状のキューティクル細胞によって覆われています。
毛髪中心部のメデュラ細胞には空隙があって細胞を軽量化し曲げ強度を強くする役目を果します。シスチン(Cys)含量は非常に少ないのですがイソペプチド架橋によって安定化されています。メデュラ細胞は太い羊毛繊維や毛髪繊維に見られ、構成する物質は非晶性で形態は動物種によって異なるそうです。毛髪や羊毛の屈曲強度は天然繊維や合成繊維のなかでも最大といえ頑丈で強靭な作りになっています。適度に柔軟性のあるマトリックス樹脂がフィラメント間に入っている複合材料でクラックが発生しにくく破壊を受けにくくなっています。


